GCPの検証・本番環境をTerraformで上手く管理する方法
Goodpatch Advent Calendar 2017 - Qiita の24日目は @terut がお送りします。
さてさて12月24日ですが、みなさんリア充してますか? 24日は若者に書かせるわけにいかないので、24日のアドベントカレンダーはおっさんの仕事というのが相場のようです。
最近GCPの管理のためにTerraformに入門しました。入門しながら思ったのが、検証の目的に合わせて複数の環境を作るのが面倒くさいということです。Terraformで管理する場合、Terraform用のサービスアカウントを用意したりするのですが、普通にやってしまうとプロジェクト毎にTerraform用のサービスアカウントを準備しなくてはならず、さらにビリングアカウントへの紐付けをある特定の人へお願いしたりという作業が発生します。もうちょっといい方法がないものかと思って色々と調査をしたところ、GCPのリソースは階層構造を持っておりIAMポリシーは継承されるので、それを上手く使うのがよさそうな雰囲気を感じて、試してみました。
TL;DR
- Managing GCP Projects with Terraform | Google Cloud Platform Community | Google Cloud Platform を読みましょう
- Terraformのworkspaceを上手く使って環境毎にtfstateファイルを管理しましょう
前提条件
組織で管理する中でどのように階層と権限を設計するかという話だったので、一応環境を揃えるために組織で管理する環境を作りました。自分のドメインがあれば、Cloud Identityを使って申請できます。ドメインを自分のものであると証明するために、DNSへTXTレコードかCNAMEを登録する必要がありますが、15分程度あれば登録して、組織で管理された環境を作れます。なおドメインに関連したアカウントを作る必要があり、そのアカウントにも$300が有効にできるので、今回のこの方法でお金がかかることはないですが、ロボットでないことを証明するためにクレジットカードは入れなければなりません。
環境の構築方法
基本的は上に紹介した Managing GCP Projects with Terraform | Google Cloud Platform Community | Google Cloud Platform の流れに沿って環境を作っていくことになります。IAMのポリシーの継承を上手く使うため、Adminプロジェクトを作り、その中でTerraformで管理するためのサービスアカウントを発行し、他のプロジェクトを管理する権限を与え、すべてのプロジェクトをそのサービスアカウントで管理するというイメージになります。
一通りリンクの手順を試してみると分かりますが、このままではAdminプロジェクトで管理された一つのtfstateファイルに変更が反映されていきます。そこでTerraformのworkspaceの出番です。
$ terraform workspace new staging
これを実行するとAdminプロジェクトのCloud Storage上には staging.tfstate が出来ているのが分かると思います。workspaceの値はtfファイル内で参照できるので、ディレクトリでtfstateファイルの置き場所を分けたりといったことも出来そうです。Terraformのworkspaceを上手く使いながら、一つのTerraform用のサービスアカウントを用意することで、すべてのプロジェクトが管理できるような感じがしますね。
まとめ
GCPのリソース階層へのIAMポリシーの継承などを使い、管理用のサービスアカウントを用意することで、すべてのプロジェクトで同じような手作業をするということが避けられ、ほぼすべてをTerraformに任せられそうです。入門したてなので、もっといい方法や普通はこうやるんやでなど、色々なアドバイスをお待ちしてます。
そういえばまったく関係ないんですが、12月25日は僕の誕生日でした。いつものやつ貼っておきますね!
「ですます」であまり書かないので不思議な気持ちやな〜。